COLUMN

2021.02.05

私流アート鑑賞#4 金沢への旅 〜 体験型アート 編 〜

三原 勇希 written by 三原 勇希
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  • お元気ですか?

    何気ないこの言葉も、重みを持つようになってしまった2021年。
    いや本当に、これを読んで下さっている貴方はお元気でしたでしょうか?
    気づけば前回の記事から12か月。昨年は旅をお勧めできるような状況でもなかったので、仕方がないですね。
    ですがGoToキャンペーンが適用された2020年11月初旬、私は金沢に旅してきました!

    久しぶりに東京を出ると、やはり少し肩の力が抜けますね。空は広いし、時間がゆっくり流れる感じ。肺にいつもより空気がたくさん入るような気がするのも、本当です。

    今回の旅の目的はズバリ、「アート」!(…と「食」(笑))
    金沢といえば金沢21世紀美術館が有名ですが、何度か訪れているので、今回はあえて違うアートスポットを巡りました。

  • 朝、金沢に着くなり向かったのは「KAMU kanazawa」。
    金沢21世紀美術館から徒歩3分の場所に、今年6月にオープンしたばかりの新鋭美術館です。

    朝一番で向かったのは理由がありまして。
    この美術館のこけら落とし作品であり、人々がこぞってこれを目当てに訪れるレアンドロ・エルリッヒの新作《INFINITE STAIRCASE》。
  • 写真が掲載できないので想像してみてください。
    ひゃ~落ちるぅ~…!!と言わんばかりの面白い写真も撮れる、体験型のインスタレーションです。
    レアンドロ・エルリッヒといえば、金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》が有名ですが、こちらもやはり“入ってみることで仕組みがわかる”建設的なアート作品。錯覚や思い込みで、一瞬混乱させられたり裏切られたような驚きを味わいますが、そのトリックを最後まで見せてくれるところは優しいなぁと思います。

  • やはり彼の作品は大人気で、この日も平日ながらオープン直後から若者がわんさか。なので、朝イチがお勧めです。

    2階と3階もフロアごとに違うアーティストの作品が展示されているのですが、ここで出会った、粘土で作られた動物たちの作品がとても好きでした。
    よく見るとラフなのに、こんなにもリアルだなんて!写真だとわかりづらいですが、これ動物達の等身大サイズなんです。

  • アーティストは、ステファニー・クエール。自然豊かな英国のマン島で生まれ育ち、現在もそこを拠点に活動しているそう。最初にスケッチ、その後素早く粘土で形作られる彫刻は、その残されたラフさがまるで毛並みや、生き物の動きを吹き込んでいるようでとても可愛く思えました。

    またこの「KAMU kanazawa」に入館すると、そのチケットですぐ近くの2つのギャラリーも入ることができるのも面白いところ。

    10月にオープンしたばかりの「KAMU BlackBlack」と「KAMU sky」です。「KAMU sky」は香林坊東急スクエアの屋上にある屋外展示スペースで、私が泊まった東急ホテルの部屋から見下ろすことができました!
  • 足!!!笑
    巨大な作品を多く発表している、久保寛子による「泥足」。
    ホテルの窓からいつでもアートが見られるなんて、得した気分!

    この3つの「kamu」は、32歳のアートコレクター、林田堅太郎氏がクラウドファンディングも駆使してオープンさせた私設美術館。
    彼の狙いの一つには、「街中に展示スペースを作ることで、徒歩や自転車で観光客に金沢を回遊してもらう」ということがあったそうです。

    私はそんなことを知らずにまんまと(笑)シェアサイクルで金沢を回る選択をしたのですが、これがとっても便利で楽しい!
    ただでさえ魅力的な観光スポットがコンパクトにまとまっている金沢ですが、今までなら諦めていた場所にも足を伸ばせる。そして気持ち良い。

    そうして自転車の力を借りて訪れたのが、「金沢美術工芸大学 柳宗理 記念デザイン研究所」。
  • 私が家で使っている柳宗理のプロダクツは、おたまとフライ返しとトング。シンプルで美しいキッチンツールやバタフライチェアといったホームプロダクツから、歩道橋やオリンピックの聖火台まで、彼が手がけた物や彼の姿勢に触れることができます。

  • その空間はまるで家。置いてあるものについては説明がなく、実際に触ったり座ったりすることで「用」の美を感じられるのが、柳宗理らしくてまた良いです。

  • その後自転車を走らせて向かったのは、「鈴木大拙館」。
  • ここは少しギャラリーとは趣が違って、「思索にふける」ための場として開設された空間。
    私はこの中にある資料で学ぶまで鈴木大拙について知らなかったのですが、端的にいえば、禅をはじめとする仏教、東洋の文化や思想を海外に伝えた学者です。

    禅自体が「不立文字」、つまり言葉や文字によらぬことをモットーとして、体験を何よりも重視するものであるそう。そう考えると、この施設に説明が少ないことや思索の場とされていることに納得がいくと同時に、それを英語でひろく伝えた大拙の凄さがうかがえました。

    彼に関する資料の中に、ジョン・ケージやJ.D.サリンジャーが彼の講義を聞いたとか、バーナード・リーチと親交が深かったという話があり、好きな芸術家達の名前が出てくるとやはり興味が湧くものですね。芸術は必ず、その人の思想や美学を反映するものだと思うから。

    それに「東洋/西洋という対立」「有/無をはじめ物事を二つに分ける考え方そのもの」に対して問題を提起し、そうした概念の生まれる前の大本をみることの大切さを大拙は説いていたということを知りました。昨今のBLMなど、私が最近考えていたことにも通ずる話で俄然興味を持ちました。

    残念ながらゆっくり思索に耽るほどの時間はなかったのですが、余計なものが削ぎ落とされつつ、静と動を感じられる美しい空間でした。家の近くにあったらいいのに。笑

  • たくさん歩いて疲れたら休みに行ったり、出会ってしまったお土産を置きに帰ったり。気軽に「一回戻ろっか」って選択肢ができるホテルを選んだのも、今回の旅で良かったところです。
  • 宿泊は金沢東急ホテル。JR金沢駅からは車で6分。金沢の中心地・香林坊にあって、兼六園と金沢城公園、そして金沢21世紀美術館は徒歩圏内という立地!

  • 伝統と文化の息づくホテルの中でも、「ひと休み」にとても良かったのがクラブラウンジです。チェックインからチェックアウトするまで何度でも、地元のお菓子やドリンクを頂きながらゆっくりできました。

  • 私が選んだのは白ワインと、オリジナルスイーツ!

  • こちらは今年からできた、プレミアツインのお部屋。 ベッドのある洋室ながら、カーテンではなく障子の窓枠がしつらえてあったりと、とても上品で趣がありました。

  • ホテルでひと休みして、夜は海鮮と日本酒を味わいに街へ繰り出しました。
    金沢旅のお話は次回に続きます!
    次回は「うつわ」に視点を移して金沢を歩きます。
    九谷焼の絵付け体験をしてみたり、訪れた飲食店で出会ったうつわに注目してみると、いつもと違った旅になりました!

  • ※取材は、2020年11月に行われました。

今回訪れた場所

予告


  • 次回のコラムは2/12(金)配信予定です。
    お楽しみに!

三原勇希コラム「私流アート鑑賞」

三原勇希


  • 三原勇希(タレント/キャスター)
    1990年4月4日生まれ。大阪府出身。
    ティーン向けファッション誌「nicola」でデビューし、tvkテレビ神奈川「sakusaku」4代目MCを務める。その後、様々な音楽番組やNTV「シューイチ」などに出演。現在はJ-WAVE「ROPPONGI PASSION PIT」ナビゲーター、スペースシャワーTV「ヨルジュウ♪」VJでレギュラー出演。音楽、映画、スポーツ、ファッションと多才多趣味を活かし、テレビ・ラジオ・雑誌などでマルチに活躍中。
    【Official HP】
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