TRAVEL

2020.08.28
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港町横浜。8つの記憶を訪ねる旅
記憶その8 馬車道
日本初の街の明かり

1859年、寒村に過ぎなかった横浜は、
日本の玄関口としての歴史を歩み始めた。
異国の風を受け、その文化を花開かせて約160年。
港町の歴史を鮮やかに刻む、8つの場所を旅する。
その記憶は美しく、懐かしく、そして楽しく......。
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  • Michiyo Nishiuehara
  • PHOTO
  • Takeshi Fukuhara
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開港以来の歴史を刻む
馬車道

  • 記憶を訪ねる旅の最後を飾るのは、街路樹の緑が美しい馬車道。ここで面白いものを見つけた。本物かそれともレプリカか、タイル張りの水槽に右書きで「牛馬飲水」。外国人の自家用馬車が行き交っていた遥かな昔が、にわかにリアルに感じられる。

  • 馬車道は、関内と呼ばれた開港場のメインストリート。アイスクリームや日刊新聞の発祥地でもあるが、街路樹もガス灯も、実はここ馬車道が日本第1号。ガス灯は明治5年で、当時の人々にとって驚くべき明るさに、夜には見物客が押し寄せたと伝えられる。
  • いま馬車道にある81基の街灯はすべてガス灯だそうだ。以前はガス灯風デザインの水銀灯だったが、平成15年に本物のガス灯に建て替えたという。
  • 温かみのある、やわらかな光。
  • 現代の煌(きら)びやかで強い明かりに比べれば慎ましい光だが、美しい横浜の夜の始まりは、このガス灯なのだ。
  • 「いま」を照らす馬車道の文明開化の明かりに、開港以来横浜がたどってきた時の流れを思った。
  • 開港以来の歴史を刻む 馬車道
    万国橋から吉田橋まで関内を貫く通りだけでなく、周辺一帯が馬車道と呼ばれ、旧横浜正金銀行や旧川崎銀行など歴史的な建築も散在する。煉瓦ブロックによる舗装やガス灯の復旧などの景観の整備が進められて、開港から始まる横浜の歴史を感じさせる、風情ある情景をつくり出している。

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