GOURMET

2020.08.21
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港町横浜。8つの記憶を訪ねる旅
記憶その6 ウチキパン
130年続くイギリスパンをお土産に

1859年、寒村に過ぎなかった横浜は、
日本の玄関口としての歴史を歩み始めた。
異国の風を受け、その文化を花開かせて約160年。
港町の歴史を鮮やかに刻む、8つの場所を旅する。
その記憶は美しく、懐かしく、そして楽しく......。
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  • Michiyo Nishiuehara
  • PHOTO
  • Takeshi Fukuhara
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ハマっ子なじみの味
ウチキパン

  • さらに港町横浜ならでは、古くからのハイカラ商店街・元町に足をのばす。ウチキパンは、ここに130年前から店を構える「横浜の記憶」のひとつ。
  • 「ひいじいさん、打木彦太郎が1888年に店を開いたのが始まりです......」
    と、4代目の打木宏さん。
  • 彦太郎氏は、関内でイギリス人ロバート・クラークが営んでいたヨコハマベーカリーでパンづくりを学んだ。
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  • 当時は店ごとに秘伝の発酵種(たね)でパンを焼いていた。彦太郎氏が使っていたのも、クラーク直伝のホップ種。いまもイギリス食パン「イングランド」は、このホップ種で焼いているという。
  • 明治21年、ヨコハマベーカリーを受け継ぎ、創業。現在パンのラインナップは70種ほど。どれもおいしそうで選ぶのに迷う。

  • ウチキパンは「毎日食べても飽きないパン」を目指し、アンパンや総菜パンも置く町場のパン屋。所狭しと並ぶパンはどれも売り切れ続出の人気ぶりだが、ここはやはり、イングランドを買い求めよう。

  • おすすめに従って5枚切りをお土産に。ちなみに帰宅後トーストしたら、表面はパリッと軽やか、中はもっちり。130年の時を超えて、小麦の味と香りがきわだつ昔の味が舌に甦った。
  • クラーク直伝のホップ種でつくった「イングランド」。種づくりに4日、生地もじっくり低温発酵させた味わいだ。

ウチキパン

  • 横浜市中区元町1-50
    TEL:045-641-1161
    uchikipan.com
    Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

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