GOURMET

2020.07.31
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港町横浜。8つの記憶を訪ねる旅
記憶その2 崎陽軒
変わらぬ横浜名物

1859年、寒村に過ぎなかった横浜は、
日本の玄関口としての歴史を歩み始めた。
異国の風を受け、その文化を花開かせて約160年。
港町の歴史を鮮やかに刻む、8つの場所を旅する。
その記憶は美しく、懐かしく、そして楽しく......。
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  • Michiyo NISHIUEHARA
  • PHOTO
  • Takeshi FUKUHARA
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初代社長がつくった「冷めてもおいしい味」

  • シューマイではなく、包みには昔もいまも「シウマイ」の四文字。独特の旨みと香りに、時折無性に恋しくなる味。最初に食べたのはいつだったろう。列車の中?お土産?横浜駅前にある崎陽軒本店の店先で、記憶を探った。

  • 崎陽軒のシウマイは、昭和3年、「横浜に名物をつくりたい」と、初代社長の野並茂吉氏が中華街で突き出しに出されていたシューマイに着目。料理人、呉遇孫(ごぐうそん)の協力を得て「冷めてもおいしい味」を求め、試行錯誤の末につくり上げた品だ。
  • 最初はシウマイ単品を駅売りし、弁当が登場したのは昭和29年。現在、販売エリアは神奈川県と近県のみ。だから首都圏ではお馴染みの味だが、西日本では知らない人もいるのだとか。

  • ©崎陽軒
    キャンペーンガールのはしり シウマイ娘
    昭和25年から横浜駅ホームで赤いチャイナ服風のユニフォームにたすきをかけた女性たちが、列車の窓ごしにシウマイを売った。「同じシウマイを買うならシウマイ娘から」といわれ、作家・獅子文六がシウマイ娘を小説『やっさもっさ』に登場させ、映画にもなってシウマイもシウマイ娘も知名度がぐーんとアップしたという。
  • 崎陽軒のスタッフさん曰く、「横浜名物なので全国展開はせず、真のローカルブランドを目指しています」
  • 材料は豚肉・玉ねぎ・干帆立貝柱・グリーンピース、調味料も塩・こしょう・砂糖・でんぷんのみ。添加物は一切入っていない。加えて発売以来レシピは同じ。90年間変わらぬ味が、根強い人気を支えている。
  • 本店で、シウマイ弁当を買い求めた。
  • シウマイも美味だが、俵形にぎっちり詰まったごはん、歯切れのいい筍煮、鶏唐揚げも旨い。やっぱり最後の締めに食べるのはアンズかな。
  • 横浜名物の駅弁を携えて、さらに記憶を訪ねる旅は続く。

  • シウマイと弁当の秘密に迫る!
    製造見学はもちろん崎陽軒の歴史や味の秘密のレクチャー、しょう油入れ「ひょうちゃん」の展示も。プチミュージアムショップでは、できたてを列車の座席を模した席で食べられる。

崎陽軒 横浜工場

  • 横浜市都筑区川向町675-1
    TEL:045-472-5890
    kiyoken.com/factory/
    ※ 2020年7月現在、工場見学は中止。工場見学再開案内や工場見学の予約は、Webサイトをご確認ください。

  • 繊細で独創的な中国料理を崎陽軒本店で
    崎陽軒本店2階の嘉宮では、広東料理をベースに、中国料理の真髄を追求しつつオリジナリティ溢れる料理の数々を提供している。店の雰囲気もサービスも贅と心を尽くし、特別な日の食事にも好適。1階の売店ではシウマイや弁当をはじめ崎陽軒の製品を販売している。

嘉宮(かきゅう)

  • 横浜市西区高島2-13-12 崎陽軒本店2階
    TEL:045-441-3330
    kiyoken-restaurant.com/h_kakyu/
    ※ Webサイトをご確認の上、お出かけください。

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