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2022.08.31
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自分だけのとっておきを見つける、京都文房具屋探訪[vol.2]

京都には、まちの人々の暮らしをゆたかに彩ってきた文房具屋さんが数多く存在する。

今回そういった文房具屋さんの中から趣向の異なる3つの店舗を紹介。京都だからこそ出会える文房具屋さんで、日々にしあわせをもたらすアイテムを見つけてみよう。
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  • Shino Suzuki
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  • Shino Suzuki
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日本文化を伝承する文房具店「京都鳩居堂」



  • 古都・京都で長きに渡って愛されている書画用品・和紙製品・お香などの専門店「京都鳩居堂」。創業は1663年と江戸時代までさかのぼる。日本に残る伝統文化を届けていくことを使命として、質の高い製品を数多く取りそろえる。

  • リニューアルは106年ぶりのことだそう

  • 2020年に建て替えを行ったという開放感のある店内には、便せん・封筒・ノート・筆などがずらり。その抜群の品ぞろえと質の高さを求めて日々多くのお客様が足を運んでいる。取材に訪れた日も朝早くから老若男女、多様な人々が買い物を楽しむ様子に出会えた。


  • ギフトや日常使いにも最適と人気の製品の一つが、木版画のあしらわれた便せんや一筆箋。木版画の作家さんに依頼をして判をデザインしたオリジナルの製品で、木版画の持つ柔らかく温かな風合いが和紙ともマッチしている。

  • 選んだ便せんや封筒を包めるオリジナルの紙箱も販売。贈り物にも最適

  • ちなみに、店舗の向かいに位置する別棟では「レターバイキング」を実施している。好きな便せんや封筒を一枚単位で選んで購入できるサービスでこちらも大人気だ。

    シンプルなデザインのものから、個性派な愛らしいあしらいのものまで、便せんといえども多岐に渡る。手書きの文化が少しずつ減ってしまっている今の時代、こういった機会を通して大切な人に思いを伝えるきっかけにしてみるのも良いかもしれない。




京都鳩居堂

  • 住所:京都市中京区寺町姉小路上ル下本能寺前町520
    TEL:075-231-0510
    営業時間:10:00~18:00
    定休日:1/1〜3
    kyukyodo.co.jp/
    ※ Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。


日々を助ける文房具を選ぶなら「文具店tag 寺町三条店」



  • 京都鳩居堂の位置する寺町専門店会商店街には、実はもう一つ文房具店がある。それが「文具店tag 寺町三条店」だ。四条に本店があるほか、京都府内でも8店舗を構えており関西を中心に広く展開している。


  • 店を訪れてまず驚くのはなんといっても圧倒的な品数。B1Fから3Fまで5フロアに渡って、おしくらまんじゅうよろしく製品が並ぶのはtagならではのこだわり。まちに根付く文房具店として「tagに行けば見つかるかもしれない」と思ってもらえる店であり続けるため、製品のラインアップには妥協がないという。


  • 商店街のなかにたたずむ店舗なので、筆記具やノートなどの日用品需要が多い。また、贈り物として文房具を選ぶお客様も決して少なくないとのこと。そのため、ショーケースのなかには高級筆記具と呼ばれる、万年筆やボールペンなども幅広く取りそろえられている。


  • 店の3階に向かってみると、出迎えてくれたのはなんと梱包資材や紙袋などの事務用品。

    「店で使う資材が足りなくて……」と周辺店舗の方々からヘルプの声が届くことがあるというニーズを汲み取り、文房具店でありながらもまるでホームセンターのような資材ラインアップを実現した。“まち”に尽くすという強い意思、それが文具店tagに訪れるお客様の心を掴んで離さないのだろう。

  • 海外からのお客様も日々訪れることから京都の風景を写した絵葉書、和紙を使用したマスキングテープ・御朱印帳なども並ぶ


文具店tag 寺町三条店


  • 住所:京都市中京区天性寺前町523-2
    TEL:075-223-1370
    営業時間:10:00~19:00
    定休日:なし
    takedajimuki.co.jp
    ※ Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

トレンドアイテムから京文具まで勢揃いする「イノブン 四条本店」



  • 「文具店tag 寺町三条店」をあとにして四条通に向かって歩くこと約10分。大通り沿いにスラっとした出で立ちの店が現れる。「イノブン 四条本店」だ。こちらも地下から4階まで5フロアに分かれている雑貨店で、文房具は2階と4階で販売している。

  • 文房具をメインに取り扱う4階では、心踊るトレンドアイテムがたくさん

  • 「暮らしを楽しく、こころ豊かに。」をコンセプトに選ばれた製品はどれも鮮やかで見ているだけで気分が高まるものばかり。

    初めて目にする文房具も多いように感じられ、その理由をスタッフさんに尋ねてみると「他のお店とラインアップがかぶらないよう、担当スタッフが心からおすすめしているアイテムだけを取りそろえている」とのこと。個人で活動されている作家さんに連絡をして、店で製品を取り扱うこともあるのだそうだ。

  • 喫茶店の代表的メニューを描いたメモ帳。左から「スマート珈琲店」「六曜社珈琲店」「フランソア喫茶室」

  • 京都に点在する人気の喫茶店を描いた文房具シリーズは、店によっては品切れ状態が続くほどのトレンドアイテムに。それぞれのアイテム自体も使うのがもったいなく感じられるほどかわいいものばかり。これらを手にして、実際に喫茶店を巡るという楽しみ方もおすすめだ。

  • 友禅和紙の量り売りや和綴じのノートを取り扱う、京の心を感じられるフロアだ

  • 2階には京雑貨がそろっている。取り扱いは文房具のみならず、ファッションアイテムやインテリアなど幅広い。そのため、京都みやげを探してこのフロアを訪れるお客様も多いのだとか。広い店内を駆け巡りながら、ときめく文房具との出会いを満喫してほしい。


イノブン 四条本店

  • 住所:京都市下京区四条通河原町西入ル御旅町26
    TEL:075-221-0854
    営業時間:10:00~20:30
    定休日:不定休
    inobun.co.jp/
    ※ Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

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