- 木漏れ日のような柔らかな陽光が差し込むアトリウム。吉祥寺エクセルホテル東急の「ラウンジ&ダイニング SORAE」は、訪れる人をやさしく迎え入れてくれる、落ち着きと温もりを兼ね備えたサードプレイスにふさわしい空間だ。
- このホテルで開業以来人気を博してきたアフタヌーンティー。11月末までのテーマに据えたのは、豊かな実りの象徴である栗と、和の趣を添えるほうじ茶の組み合わせ。
- 「ほうじ茶をメインに扱うのは、今回が初めてです。栗やさつまいも、かぼちゃがおいしくなる秋に合わせて、大人の味わいを醸し出せるほうじ茶を選びました。芳ばしい香りがありながら、渋みや苦味が少なく、砂糖やミルクとも好相性なんです」と語るのは、廣井千陽パティシエ。
- 伝統的な3段重ねのティースタンドには愛らしいプティフールが並び、どれから口にしようかと迷う時間も楽しい。白出汁をアクセントに使ったほうじ茶ジュレや胡麻豆腐など、セイボリーには和のテイストを盛り込み、甘さと旨味を何度も往復したくなる充実の内容だ。
- なかでも、廣井パティシエがいちばんにお勧めするのは「和栗のモンブラン」。
- 「ほうじ茶との相性を考えて、洋栗ではなくクセのない和栗を選びました。生地にはヘーゼルナッツを練り込み、クリームからベースまで満足いただけるひと品です」
- 紅茶は、吉祥寺の専門店「ティーマーケット ジークレフ」から厳選した7種を用意。季節限定のシーズナルティーもあり、自分だけのお気に入りを見つけるのも楽しみ方のひとつだ。ホテルを出て真向かいにある実店舗で、気に入った茶葉を買い求めて帰る人も多いという。
- 「大人数でのご利用はもちろん、実はおひとりで訪れる方も少なくありません。紅茶とスイーツに囲まれて、気兼ねなく好きなものに没頭できる時間を、ゆったりと過ごしていただきたいですね」
- 栗とほうじ茶が溶け合う秋だけのご褒美。吉祥寺の午後に漂う甘やかな香りは、日常をそっと離れて、心をほどいてくれる。
3段のティースタンドのほか、別添えの栗のリゾットグラタン、キノコのスープ、プレーンスコーンと紅茶のスコーン、ベリージャムとマスカルポーネがつく、充実の内容。写真は2人分のセット。 クセのない和栗を使った「和栗のモンブラン」(手前)、「ほうじ茶のロールケーキ」(左奥)、カカオニブを混ぜ込み食感と味わいにアクセントをつけた「ほうじ茶のパウンドケーキ」(右奥)。ペストリーは全体的に甘くなりすぎないようビターな味わいに。 紅葉をかたどったチョコレートを乗せた「栗のムース」(手前)、チョコレート、パンナコッタ、ほうじ茶のゼリー、洋梨、ほうじ茶のクッキーで層を織りなす「ほうじ茶とチョコレートのヴェリーヌ」(奥)。 セイボリーは、「ローストポーク リンゴのコンポート添え」(手前)、セミドライトマトで彩りを添えた「栗と生ハムのカナッペ」(左奥)、白出汁で風味づけした和の味わいが楽しい「胡麻豆腐とほうじ茶ジュレ」(右奥)。いずれのプレートも主役の紅茶をより引き立てるために、甘さや塩味が緻密に設計されている。
※写真は料理の一例です
パティシエ廣井千陽
2003年、パン パシフィックホテル横浜(現・横浜ベイホテル東急)に入社。その後外資系ホテルなどを経て、2022年より吉祥寺エクセルホテル東急にて活躍。