GOURMET

2021.08.06
GOURMET

新しい風を吹き込む名古屋の匠①
フランス菓子の伝統を慈しみ
新境地を開く「ショコラトリータカス」

伝統の技や味、先人たちのフィロソフィーを重んじつつ、自らの感性を頼りに、新たな道を切り開く。
ただひたすらに素材と向き合い、ものづくりにかける信念。
そんな比類なき、名古屋の匠を連載でお届けします。
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  • Yuko Yoshiura
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  • Shinsuke Sugino
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  • ケーキ屋さんを目指してこの世界に。いつしか奥の深いチョコレートの虜になってしまったと笑う高須聡さん。
  • ひと口、食せば幸福に満ちる。
    なにげない1日を、特別な1日にしてくれる魔法のお菓子を追い求める「ショコラトリータカス」のオーナーパティシエ、高須聡さん。
    フランスの権威あるコンクール「CCC」にて格付評価の最高位を受賞するなど世界的に名を馳せるショコラティエのひとりだ。

    伝統の味を継承しつつ、チョコレートの可能性を広げる斬新な発想が魅力。
    たとえば国産の赤酢を合わせたボンボンショコラなどその組み合わせの妙は、まさに魔法のようだが、たしかな技術とチョコレートの知識、あくなき探究心があるからこそ。カカオ豆の各産地に自ら足を運び、土壌や豆の発酵具合などの品質を見極め、豆の生かし方を模索する。「豆には酸味や果実味、フローラルの香りなどが複雑に入り混じっています。一般的にはチョコレートの風味を際立たせるため酸味などは抑え気味にする手法が多いですが、その豆本来のアロマをすべて感じられるようにバランスよく仕上げるのが持論であり、そこにオリジナリティがあると思っています」と高須さん。
  • アイデアと工夫が詰まったボンボンショコラ。
  • 艶やかで気品漂うケーキの表情が丹念な仕事ぶりとおいしさを物語る。
  • 「チョコを食べた〜!」と満足感に浸れるチョコレートパフェ。カフェでは夏季限定のかき氷(ネージュ ショコラ)も人気。
  • ボンボンショコラやケーキなどのテイクアウトが主流ながら、カフェでしかいただけないパフェがひそかに脚光を浴びている。アイスやボンボンショコラ、マカロン……とパフェグラスにはソースなども含めると実に17種類ものスイーツがぎっしり詰め込まれ、とびきりゴーシャスな逸品だ。

    「本来、チョコレートは冷やすと香りが閉じてしまうので常識的にはタブー。
    チョコレートのアロマを存分に生かしたチョコレートアイスをいかに作り上げるか。このパフェはチョコレートアイスへの挑戦が始まりでした」。

    アイスをはじめ、さまざまなアイテムが個々に存在感を示しつつも渾然一体となり、まるでチョコレートの奥深い世界観が表現されたような唯一無二のパフェ。また日本ではまだあまり知られていない、カカオ豆から抽出したカカオティーもぜひ一度お試しを。新しいチョコレートの味との出合いをお楽しみに。
  • 次回、名古屋の匠第二弾(8/20配信予定)はコーヒー焙煎士をご紹介します。

ショコラトリータカス

  • 住所:愛知県名古屋市中区丸の内3-19-14
    TEL:052-973-0999
    営業時間:10:00〜20:00(カフェ利用は予約が確実)
    定休日:月曜日
    www.chocolaterie-takasu.com
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

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