2025.08.01
TRAVEL

美が息づくまちをめぐる②
熱海「起雲閣」「レストランスコット本店」

静岡県熱海市にある起雲閣は、和と洋の建築美が融合した歴史的建造物だ。
かつて多くの文豪に愛された場所としても知られ、その面影が今も随所に感じられる。
そのほど近くには、文豪たちが足を運んだ洋食店「スコット」が店を構えている。
一週間かけて仕込むデミグラスソースのビーフシチューは、今なお幅広い世代に親しまれている逸品だ。
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  • Mirei Sakaki
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  • 静けさに包まれた緑の庭園に、和と洋が寄り添うように佇む「起雲閣」。日本家屋の静謐さと、洋館の瀟洒な佇まい。その対話のような美しさに、訪れる人が足を止めている。
  • 絡み合う草花を描いたステンドグラスを透かした光が、柔らかな色を帯びたきらめく影をつくり、浪漫あふれる時代が生み出した美意識をいまに伝えている。かつて別荘として建てられ、戦後は旅館に。多くの文豪たちが滞在し、物語を生み出していったという。

  • 起雲閣の洋館のひとつ「金剛」は螺鈿(らでん)細工により草花の模様の装飾が施され、洋館でありながら、東洋の美がそっと輝く。

  • 草花が絡み合うように模様をつくり出すステンドグラスも「玉渓」の間を華やかに彩る。

起雲閣

  • 住所:静岡県熱海市昭和町4-2
    TEL:0557-86-3101
    開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
    休館日:水曜日(祝休日の場合は開館)・12月26日~30日
    入館料:一般 大人 610円/中・高校生 360円/小学生以下 無料
    アクセス:JR「熱海駅」よりバスにて約10分、「起雲閣前」下車すぐ
    kiunkaku.jp

  • すぐ近くの洋食店「スコット」もまた、作家たちに愛された老舗だ。扉を開けると、香ばしく深いデミグラスの香りがふわりと漂う。名物のビーフシチューは、1週間かけて仕込まれたソースと、ほろりと崩れる牛肉がとけ合う。その味と香りはひと皿のアート。三世代にわたるファンもいるのだとか。
  • スコットは戦後まもなく開業し、当時まだ珍しかった洋食を提供した。現在は三代目・健介さんがその味を引き継ぐ。

  • 牛肉と野菜をじっくり煮込み、裏ごししたソースは、素材の旨みがじんわりと広がる。

レストランスコット本店

  • 住所:静岡県熱海市渚町10-13
    TEL:0557-81-9493
    営業時間:12:00~15:00(最終入店:13:30)/17:00~20:30(最終入店:19:00)
    休業日:木曜日
    アクセス:JR「熱海駅」よりバスにて約10分、「銀座」下車徒歩約1分
    restaurant-scott.com/

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東急バケーションズ熱海

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