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2022.06.17
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圧倒的な透明度を誇る海
美しすぎる伊豆の水の神秘

澄みわたる青い海はもちろん、富士山の湧水や平安時代から愛され続ける温泉など「水」の宝庫である伊豆。ではどうして伊豆の水はこんなにも清らかなのでしょうか。その秘密に迫ってみました。
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  • Toru Kawagishi
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Reason01 日本トップクラス!なぜ海の透明度がここまで高いのか


  • 初めて伊豆を訪れるダイバーやスノーケラーの多くは、透明度の高い水質に驚かされます。その理由は、黒潮の影響が強いと考えられています。秒速0.5m程度でプランクトンが豊富な親潮に対して、最大秒速2.5mと、流れが速い黒潮。南方からこの黒潮が流れ込むことにより、海水が循環し、青い海を作り上げています。さらに伊豆は、生活・工業用水流入による汚染が少ないエリア。黒潮の影響を受ける太平洋沿岸でも抜群の美しさを誇っているのです。



Reason02 日本有数の源泉数や湯量を誇る温泉郷でもある


  • 水質に恵まれた伊豆の自慢は、ビーチだけではありません。平安時代より、伊豆は温泉地としても名を馳せてきました。その顔といえるのが、東伊豆エリアの伊東温泉。源泉数は700本を超、1分間の湧出量は約3万ℓ。別府温泉、湯布院温泉と並んで、日本三大温泉地に数えられています。伊東市内には八幡野(やわたの)温泉郷、赤沢温泉郷など様々な温泉郷があり、合計すると宿の数は150軒以上。海辺の宿をセレクトすれば、ビーチ遊びと温泉三昧の両方を贅沢に楽しめる場所といえます。



Reason03 まるで南国のよう。豊かな海洋生物が生息する南伊豆


  • 伊豆の海のなかでも、南伊豆・下田沖の海は多様な海洋生物が生息し、生物学的にも価値が高いといわれています。下田は暖流である黒潮に近く、夏になると海面近くの水温は30度程度まで上昇。その一方で、下田の海は大陸棚の先に深海が広がり、夏でも深部の水温はあまり上がりません。つまり、同じ海域にあたたかな海と冷たい海が垂直に重なり合っているのです。そのため、亜熱帯の海洋生物と寒帯の海洋生物が混在する、多様性の高い生態系が作り上げられました。



Reason04 最高ランクAA!遠浅で美しい有数の浜辺とは?


  • 国内トップクラスの美しさといわれる伊豆半島の海。環境省と静岡県が実施している海水浴場の水質調査では、伊豆のビーチの大部分が最高ランクの「AA」を獲得しています。しかも伊豆では、アクセス至便な人気ビーチも高評価。たとえば今井浜海水浴場は、伊豆急行線「今井浜海岸駅」から徒歩3分の近さでありながら水質は「AA」を取得。幅30mの砂浜が長さ900mにわたって続く風景も美しく、数ある伊豆のビーチのなかでも屈指の人気を誇っています



Reason05 水も食べ物もおいしくしてくれる富士山の湧水の秘密


  • 伊豆半島の付け根に位置する三島市は、富士山から流れ出した雪解け水や雨水が湧き出す「水の都」として知られています。湧水には適度なミネラル成分が含まれており、健康的で味もいいと評判。厚生労働省が示す「おいしい水」の水質条件も満たしています。三島の名物としてうなぎが人気を集めているのも、おいしい水のおかげ。うなぎを4~5日かけて三島の水に打たせることで、生臭さや泥臭さが消え、余分な脂肪分も燃焼するといわれています。



Reason06 海の色が眩いエメラルドグリーンに見えるのはなぜ?


  • 下田市にある9つの海水浴場は海面がエメラルドグリーンに輝き、「海外のリゾートビーチのようだ」といわれます。海がエメラルドグリーンに見える理由は、砂が白く、水質がよいことに加え、遠浅な海岸が続くためです。海が深いと、太陽光の色素のなかで海水に吸収されやすい赤色と黄色が消えてしまい、青みが強くなります。逆に海が浅いと、赤色や黄色も残りやすくなるため、全体が緑色っぽく見えるのです。日本に居ながらにして、幻想的な海の色を、存分に満喫できます。




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