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2019.05.24
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DEEP TRADITION, COLORFUL INNOVATION "KYOTO"
近代京都の象徴を見て感じるこのまちの強さ

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  • Akira Uemura
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  • Hiromichi Kataoka
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  • 京都は...つまり平安京だ。
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  • それまでの長岡京から、平安京に遷都されたのは、延暦13年(794年)のこと。以後、平安京は明治維新まで日本の首都で在り続けた。
  • 明治維新で首都機能を失った京都の産業は衰退し、人口も急激に減少した。
  • 約150年前、千年の都はちょっとピンチだったのだ。まちの復興、特に産業復興のために 計画されたのが、琵琶湖から水を引く疏水事業だった。
  • 旅の終盤、臨済宗南禅寺派の大本山南禅寺を訪れた。 開山は正応4年(1291年)。ここは、重文の勅使門と三門、国宝の方丈、その枯山水の庭園、南禅院の回遊式庭園と見所が多い。
  • 約4万5000坪の境内の南側、南禅院の前、明治23年(1890年)に完成した琵琶湖疏水の水路閣は、近代の京都を知る象徴のひとつ。赤レンガのアーチ型橋脚は南禅寺の景観を損ねない。和風ではなく、西洋風建造物なのが京都らしい。当時としては新しい試みだっただろう。
  • やがて、京都は息を吹き返す。
  • 琵琶湖疏水はいまでも年間2億トン以上の水を京都に運び、水道の水源、発電、灌漑、防火、工業用水として利用されている。
  • 京都の歴史は、こうして重ねられ、刻まれていく。千年の風は、それをずっと見てきたのだ。そして賑やかな都に今日も吹いている。

  • 自宅に戻ったその日の夕食。
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  • 最後に立ち寄った「ちりめん山椒 千京」の、蓮沼千京さんの笑顔を思い出した。お母上が家で炊いていた「ちりめん山椒」。お友だちやご近所に差し上げたら好評で、ハワイで暮らしていた千京さんが帰国し、炊き方を受け継ぎ、お店として始めたのが9年前。
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  • 素材を吟味した、手づくり正統派だけど、マカダミアナッツ入りやホワイトトリュフオイル入りにも挑戦している。これもまた、京都人の不易流行の精神に違いない。

  • 「でも、ふつうのおじゃこが一番売れているんです(笑)」
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  • その「ふつうの...」封を開けると、 山椒の香りが爽やかだ。ご飯も炊けた。 お茶は、ほうじ茶? 玄米茶?
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  • ーーいただきます。
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  • ふわぁ、と、京都に包まれる。
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  • 夕日、きれいだったな...帰ってきたばかりなのに、また行きたくなった。
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  • もう一度、京都へ。

     

鎌倉時代の禅寺と明治の史跡
南禅寺/水路閣

  • 南禅寺は日本の禅寺のなかではもっとも格式が高く、室町時代の頃は、京都五山の上におかれる別格扱いだった名刹。正応4年(1291年)、亀山法皇(第90代天皇)が大明国師を開山に迎えて創建された。水路閣は、明治23年(1890年)に完成した琵琶湖疏水の分線にある水路橋で、設計/デザイン、建築は日本人の手だけでなされた。もちろんいまも現役。全長93.2メートル。国・市指定史跡。
    住所:京都市左京区南禅寺福地町
    TEL:075-771-0365
    http://www.nanzen.net/

ほんま、辛すぎず辛なさすぎず
ちりめん山椒 千京(ちひろ)

  • 「辛すぎず、辛なさすぎず」がこだわりの千京では、じゃこはサイズの揃った宮崎産か鹿児島産の天日干しのみ使用。山椒は爽やかな風味の京都産朝倉山椒を軸も茎も手で丁寧に掃除して使っている。オリジナルの「ちりめん山椒」、「ちりめん山椒マカダミアナッツ」(以上2点上写真)のほか、バジル、にんにく、赤唐辛子、赤山椒粉、七味、ドライトマト入りなどのちりめん山椒をラインナップ。京都では、本店のほか、スバコ・ジェイアール京都伊勢丹、フレンドフーズ(下鴨北園町)で手に入る。
    住所:京都府向日市物集女町出口14-3
    TEL:075-922-4188
    http://chi-hiro.jp/

  • ※この記事は「COMFORTS」2017年2・3月号の転載です。

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