INTERVIEW

2023.02.10
INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW "KEN NOGUCHI"
アルピニスト野口健「自然との接点が環境問題への関心につながる」
<前編>

世界七大陸最高峰登頂最年少記録を達成したアルピニストであり、また、清掃登山などを通して、環境問題の解決にも取り組む野口健さん。水素と食品廃棄物リサイクル発電でCO2削減を実現した川崎キングスカイフロント東急REIホテルで、環境問題と人生を決めた旅についてうかがいました。
  • TEXT
  • Yukiko Ushimaru
  • PHOTO
  • Yoshiaki Tsutsui
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  • 環境問題を意識しはじめたのは、初めてエベレストに挑戦した1997年のとき。登山隊は通常1〜3ヵ月を山で過ごすため、その間の食料のゴミや酸素ボンベなどをそのまま山に残していくのが常態化していました。でもベースキャンプは氷河上にありバクテリアがいないため、ゴミは分解されない。清掃登山に行けば、50年前の登山隊によるゴミも出てきます。自分自身もそれまで何度も世界の山を登頂していても、正直ゴミ問題を気にしていませんでした。きっかけは、その時にいろいろな国の登山家から「お前たち日本人のゴミが特に多い」と言われたこと。確かに日本語の食品パッケージなどがたくさん残っていたのは事実でしたが、とにかくその言葉が悔しくて。ずっと心に残っていたのです。
  • その後、1999年に3回目の挑戦でエベレスト登頂に成功し、次の目標を聞かれたときに宣言したのがエベレストでの清掃登山でした。登頂が目的ではない、山をきれいにするための登山なんて誰もやったことがない。サポート役のネパール人のシェルパたちからも、カースト制度があるのでゴミ集めは自分たちの仕事ではないと最初は拒否されました。それを説得し、隊長である自らが動いて示すことで、彼らも少しずつ理解し情熱を持って取り組むようになってくれました。現在はシェルパが定期的に清掃活動をしてくれるおかげで、ベースキャンプでゴミを見つけるのはほぼ難しいと言われるまでになったんです。
  • さらに嬉しかったのは、彼らの地元にもよい影響を及ぼしたこと。清掃登山後、自分の村のゴミの散乱に気がつき、ゴミ捨て場を作ろうとか、缶とプラスチックを分けようなど、村の清掃も自発的に始めるようになったそうです。
  • 川崎キングスカイフロント東急REIホテルのロビーにて。ロビーの一角でバイオガス発電によってレタスが水耕栽培されていることにも興味津々。「すごくモダンなインテリアのなかで、ホテルの真剣な環境配慮がお客様に自然と伝わるのはいい試みですね」

  • 自身が立ち上げたNPOではネパールに学校を作る活動も行う。

KEN NOGUCHI


  • 1973年生まれ。ヨーロッパ大陸最高峰モンブラン、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロなどを制覇し、’99年に3度目の挑戦でエベレスト登頂に成功。世界七大陸最高峰登頂最年少記録を25歳で樹立する。日本隊に参加し遭難したシェルパの遺族のための「シェルパ基金」や、学校を作るプロジェクト「マナスル基金」を設立し、ネパールの子供たちへの教育支援も行う。




【SPECIAL INTERVIEW】

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