伝統の味をベースに、斬新な沖縄そばを
- 那覇市、壺屋の「やちむん通り」からほど近く、落ち着いた裏通りに佇む白い外観の建物。
2016年にオープンした「OKINAWA SOBA EIBUN」では、伝統的な沖縄そばの味わいを軸に、これまでにないアレンジを加えた“創作沖縄そば”が楽しめる。 店内は木を基調にした温もりのある空間。木のテーブルや大木のオブジェが心地よい空気をつくり出している。 - そんな創作沖縄そばの背景にあるのは、「EIBUN」を立ち上げたオーナー、中村さんの熱い探究心だ。中村さんが岩手から沖縄に移り住んだのは、2012年のこと。
やんばる(沖縄北部)のホテルや恩納村の「なかむらそば」での修行を重ねながら、本島・離島を含む500軒以上の沖縄そばを食べ歩いたのだという。
沖縄の伝統料理である「沖縄そば」のルーツを大切にしながらも、「EIBUN」のそばはひと味もふた味も違う。 -
提供される沖縄そばは、定番から創作までバリエーション豊かに10種類。
王道の「沖縄そば」や「本ソーキそば」をはじめ、「冷やしジュレダレぶっかけまぜそば」や「釜玉ぶっかけ沖縄まぜそば」と、どれも個性が際立ち、何度でも通いたくなるラインアップだ。
BUNBUNそば¥1,480 - なかでも人気の「BUNBUNそば」は、本ソーキ、三枚肉、まかない肉の3種を贅沢にのせた一杯。繊細な出汁の風味が、肉のしっかりとしたうまみに寄り添いながら、全体をやさしく包み込む。
食欲をそそる、甘辛く煮込まれた骨付きソーキ肉。 -
目にも楽しいトッピングの数々も魅力ながら、麺もスタンダードな「EIBUN麺」、よもぎを練り込んだ「ふーちばー麺」、「生麺」、そして「イカスミ麺」の4種類から選べるのが嬉しい。
固定観念にとらわれないメニューに、「沖縄そば」の新しい可能性を感じずにはいられないだろう。自分の「好き」を重ねるように一杯を仕上げていくのも、「EIBUN」ならではの楽しみだ。
器の中で、自由に広がる一杯を
- そんな斬新なアレンジを支えているのが、沖縄そばの土台となるスープ。
「OKINAWA SOBA EIBUN」のそば出汁は、豚骨を弱火で8時間かけて煮込み、一晩寝かせて仕上げている。
一番出汁を重ねることで、ふくよかでありながら思わず飲み干したくなる、すっと体に染み入るような味わいだ。
また、テーブルの上には「コーレーグス」に「沖縄そば山椒」、「沖縄そば胡椒」、「柚子胡椒」、そして「ゴーマーグゥー酢」と、5つの“味変”アイテムが並ぶ。 「OKINAWA SOBA EIBUN」の味変アイテム - いずれも中村さんが選び抜いた、沖縄そばに寄り添う味の道具たち。その日の気分や麺の種類、具材との相性を探りながら、少しずつ変化を加えてみて。
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泡盛に島とうがらしを漬け込んだ「コーレーグス」は、沖縄特有の辛い調味料で、ほんの数滴でピリッと味の輪郭が際立つ。
「EIBUN」オリジナルの「ゴーマーグゥー酢」は、香ばしいゴマの風味が効いたブレンド酢。温かいそばにも、冷たいそばにも合い、食後の余韻まで心地よく引き立ててくれるだろう。
一杯の中にいくつもの表情があることに気付くと、「次はどれにしよう」と、自然に再訪を思い描いてしまう。 県内の作家による器も、料理の一部として静かに存在感を放つ。 隣接しているスタンド式の3号店「EIBUN Tsuboya」。スタイリッシュな内装が特徴。 -
「OKINAWA SOBA EIBUN」が提供するのは、伝統を尊重しながら、時代に寄り添い、自由な発想で表現された“新しい沖縄そば”だ。
観光で訪れる人にとっては、沖縄の味に出会う体験を。地元の人にとっては、日常のなかの小さなごほうびを。
行列も珍しくない「OKINAWA SOBA EIBUN」だが、来店時間を指定する優先案内システムを利用すればスムーズに席へ案内してもらえる。確実に楽しみたい場合は、事前予約して行くのがおすすめだろう。
「OKINAWA SOBA EIBUN」の沖縄そばは、やちむん通りのすぐそばで、変わらぬ香りと温もりで迎えてくれる。
OKINAWA SOBA EIBUN
- 沖縄県那覇市壺屋1丁目5-14
sobaeibun.okinawa
※Webサイトをご確認の上、お出かけください。