GOURMET

2022.11.04
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SAMURAI ROUTE⑥ 金沢
歴史や文化を繋ぐ最旬の町家グルメ

古くから金沢の美しい町並みをつくってきた町家。
生まれ変わった町家で、伝統と今を堪能できるグルメを厳選。
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  • Reiko Furuya
  • PHOTO
  • Ken Nakayama
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  • サムライ・ルートの終着点のひとつ、古都・金沢。言わずと知れた城下町は、歴史と伝統 に彩られた美しい情緒溢れる町並みが人々を魅了する。なかでも最も〝金沢らしさ〞を物語っているのは、「町家建築」。鮮やかな弁柄格子、高い天井、重厚な柱や梁、漆喰の壁に、長く受け継がれてきた伝統の技と先人たちの想いが詰まっている。
  • 現在、町家は新たな命を吹き込まれて、さまざまに活用されている。そのうちのひとつが、フランス菓子店「パティスリーローブ花鏡庵」。築160年の弁柄格子の町家料亭を改修し、2022年月にオープンした。フランス仕込みのオーナーパティシエ、平瀬祥子氏がフランス伝統の味を金沢らしくアレンジして提供する。もうひとつは、台湾料理「四知堂(スーチータン) kanazawa」。江戸時代から続く老舗の油問屋「森忠商店」の旧店舗を、台湾食文化の発信地として生まれ変わらせた。オーナーの塚本美樹氏の空間マジックで、日常の中に非日常を創っている。
  • どちらも老舗商家が立ち並ぶ尾張町の風景の一部として馴染んでいる。古い町並みを生かしながら、時代に合わせてアップデートする技は、ふたりがこれまで縁を結んできた、フランスや台湾にも共通する。
  • 「伝統×革新」の積み重ねで、新たな歴史がつくられていく。
  • 「パティスリー ローブ 花鏡庵」。高い天井に張り巡らされた梁とそれを支える柱、漆喰の壁は当時のまま。空や海をイメージした差し色の青色が映える。

  • 「四知堂 kanazawa」。当時の柱や梁、建具、床を生かし、壁の色は柱の漆(うるし)色に合わせて調合を繰り返した。天井の高さは座位の目線に合わせて、計算し尽くされたもの。

世界トップクラスの味を金沢らしいおもてなしで

  • 観光に人気の近江町市場や、ひがし茶屋街から徒歩圏内にある。パティシエの平瀬祥子氏は世界的グルメガイド「ゴ・エ・ミヨ」でベストパティシエ賞を受賞した腕前の持ち主。フランス伝統菓子をベースに、素材やモチーフに“金沢らしさ”を組み合わせ、風雅で上品なスイーツを提供する。加賀藩の家紋や金継ぎをモチーフにしたスイーツは遊び心が満載。地元の生産者やクリエイターたちとも繋がり、金沢のスイーツシーンをつくる。
  • 「ブルーベリータルト」(手前、¥810)。季節によってフルーツが変わる。奥は加賀棒茶フレーバーを使った「加賀ブレスト」(¥650)

  • オーナーパティシエの平瀬祥子氏。

  • チョコレートムースの「シュシュ」(¥650)は金継ぎをイメージ。

パティスリー ローブ 花鏡庵

  • 住所:石川県金沢市尾張町2-4-13
    TEL:076-254-0903
    営業時間:10:00~18:00
    定休日:火曜、水曜
    www.instagram.com/patisserie_laube
    ※最新情報をご確認の上、お出かけください。

趣深い町家で堪能する台湾の食のシーン

  • 老舗の油問屋「森忠商店」の看板が目印の台湾料理店。台湾の一日を、食のシーンを通して感じられる。店内手前は台湾屋台をイメージし、鹹豆漿(シェンドウジャン)、魯肉飯(ルーローハン)、胡椒餅、台湾粥、豆花(トウファ)などのメニューをラインナップ。朝から台湾屋台料理を楽しめる。奥のレストランではランチセットとディナーコースを提供。ランチのメインメニューには牛肉麺や鶏肉飯(ジーローハン)を用意。ディナーでは、台湾式前菜の盛り合わせや台湾ちまきなどをコースでいただける。
  • 夜のコースの一部の「旬魚の姿蒸し」。仕上げに上からかける熱々のごま油が食欲を誘う。

  • 色とりどりの台湾式前菜五種盛り合わせ。

  • オーナーの塚本美樹氏。「唯一無二の町家の風景を未来に引き継いでいきたい」と意気込む。

四知堂 kanazawa

  • 住所:石川県金沢市尾張町2-11-24
    TEL:076-254-5505
    営業時間:8:00~16:00(月曜~日曜)、18:00~22:30(木曜~日曜)
    定休日:水曜
    www.tua-kanazawa.jp
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

古都・金沢を肌で感じられる中心地、香林坊に佇む
金沢東急ホテル

  • 壁面に金箔をあしらったフロントロビーや客室内にある九谷焼のマグカップなど、金沢らしい武家文化の風雅さ漂うホテルです。そんな和モダンの上質な空間では、ホテルに滞在しながら古都・金沢を感じられます。レストラン「マレ・ドール」では、石川の里山里海の幸を生かしたお料理をお楽しみください。

石川の秋の味覚を味わえるアフタヌーンティー“金澤”

  • 人気の「アフタヌーンティー“金澤”」が、今秋は「秋遊味(あゆみ)」と題して登場。栗のモンブランや加賀野菜、打木赤皮甘栗南瓜(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)のブリュレとともに、「能登のめぐみ卵」を使用した熱々のフレンチトーストなどを金沢金箔をあしらった「古代箔」と呼ばれる三段のお重に入れてご提供します。
  • 場所:ラウンジ「マレ・ドール」
    料金::¥3,600(サービス料込み)
    ※コチラのプランは終了いたしました。

金沢東急ホテル

  • 住所:石川県金沢市香林坊2-1-1
    TEL:076-231-2411
    アクセス:JR「金沢駅」から路線バスで約10分「香林坊アトリオ前」下車、徒歩約2分。「金沢駅」からタクシーで約6分。
    www.tokyuhotels.co.jp/kanazawa-h
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。


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