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2020.06.12
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三島由紀夫が愛した下田とホテル

映画、アート、文学を生み出す趣のあるさまざまな土地と宿。芸術を生み出すホテルの情趣時間にスポットを当て、ただ泊まるだけの楽しみとは異なる、お家でも旅気分を味わえる美の時間をご紹介。
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  • COMFORTS編集部
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三島由紀夫と下田の関係

  • 今回ご紹介するのは、2020年に没後50周年を迎えた三島由紀夫が愛した、下田と下田東急ホテル。「下田は僕の夏の故郷です」と言った三島由紀夫は、下田で一体何を見て、感じて、書いたのか。

    大正14年1月14日に東京で生まれた三島由紀夫は、ノーベル賞候補にもなり海外でも名を馳せた日本を代表する作家の一人である。 『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』などの代表作は、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。その文章の特徴は繊細でいて鮮烈、日本の文学界に新たな風を吹き込んだ。

    しかし、昭和45年11月25日、45歳のときに突如生涯を終えた。衝撃的な終わりを迎えた人物だったために、多くの人の三島由紀夫のイメージは、センセーショナルな作品の数々と、最期の印象が強いかもしれない。
  • 提供先:織田 絋二氏(元・国立劇場理事)昭和44年 下田東急ホテルにて撮影

三島由紀夫の過ごした下田東急ホテル

  • ところが、昭和39年からの7年間の夏休暇を下田で過ごした三島由紀夫は、多くの人が思い浮かべるイメージとは異なり、素朴で純粋無垢な少年のようだった。

    三島由紀夫が「日本一」だと絶賛したマドレーヌが、下田の洋菓子屋、日新堂にある。

    日新堂が実家であった横山郁代さんは自身の作品『三島由紀夫の来た夏』で、三島由紀夫について「文学者の面影などみじんもなく、どこか外国帰りのマドロスみたいに粋に街角を闊歩する素顔の三島さんに多くの町の人たちが接した」(2010年扶桑社出版横山郁代『三島由紀夫の来た夏』3Pより ※現在は日新堂のみでの取り扱い)と語っている。

    もちろん、下田での時間は作品に大きく影響している。
    昭和39年に執筆した短編小説『月澹荘期間』は下田が舞台の作品であるし、晩年の長編『豊饒の海』は、下田東急ホテルの執筆活動用の一室で執筆された。 海抜56mの高台に建ち、美しい海と、潮騒を堪能できる下田東急ホテル。

    三島由紀夫は夏の間の1ヶ月間、家族と過ごす部屋と執筆活動用の2部屋を取り、夏季のみオープンする宿泊者専用のガーデンプールでよく家族サービスをしていたのだとか。それを知ると、長編小説『音楽』に出てくるプールサイドの麻雀シーンの舞台が、下田東急ホテルなことにも納得である。
  • 提供先:織田 絋二氏(元・国立劇場理事)写真は右から三島由紀夫氏、ヘンリー・ストークス氏、(一人おいて)織田 絋二氏 昭和44年夏撮影

三島由紀夫になれる?下田東急ホテルのプラン

  • 「そんな三島由紀夫の愛した町で、自分も文豪のように過ごせたら……」という夢のような願望を叶えてくれるプランが、下田東急ホテルには存在する。

    東急グループのふるさと納税では、下田市特別企画として、 三島由紀夫が愛用した下田東急ホテルの503号室に宿泊できるプランが用意されているのだ。 (寄附金額、600,000円)

    執筆環境の準備や、専任執事のサービスがあり、文豪気分で5泊6日を過ごすことができるこのプラン。なんと、三島由紀夫の愛した日新堂のマドレーヌも用意されているのだから、ファンにはたまらない。

    その他にも三島由紀夫をはじめとする文豪たち行きつけの下田の飲食店などの紹介や、伊豆に関連する文豪たちの小説を部屋に取り揃えているなど、文字通り至れり尽くせりなサービスが用意されている。

    三島由紀夫の観た景色から、三島由紀夫の記憶に触れることは、唯一無二の体験になるだろう。
  • 1個 190円。 昭和30年から同じ味、パッケージ。

山中湖文学の森・三島由紀夫文学館

  • 山梨県山中湖の「山中湖文学の森・三島由紀夫文学館」では、三島文学の貴重な資料を閲覧できる。
    下田東急ホテルと合わせて、この機会に改めて彼のルーツを辿りたい。

    山中湖文学の森・三島由紀夫文学館
    住所:山梨県南都留郡山中湖村平野506-296
    TEL:0555-20-2655
    営業時間:10:00〜16:30(ただし入場は16:00まで)
    ※現在、山梨県在住の方のみご来場可能。お越しになる前には公式Webサイトご確認の上、来館してください。
    mishimayukio.jp

特別企画【下田東急ホテル】文豪気分ロングステイ プラン5泊6日

  • 東急グループのふるさと納税。ふるさとパレット『三島由紀夫先生が愛用した503号室のルームチャージ』
    詳しくはコチラ

    下田 東急ホテル
    住所:静岡県下田市5-12-1
    TEL: 0558-22-2411
    tokyuhotels.co.jp/shimoda-h/


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