日本遺産とは?
- その地域に受け継がれる歴史や文化を物語として紡ぎ、ストーリーとして多くの人に伝える、文化庁が認定する取り組みです。伝統行事や風景、建築物など、地域に根ざした多様な魅力が、新たな発見や感動を生み出しています(2025月現在・全国105件のストーリーを認定)。
東急ホテルズ&リゾーツは、文化庁と「日本遺産オフィシャルパートナーシップ」を締結しています。
- 大沢街道は、高野街道から分岐し、河内長野から奈良方面へと抜ける重要な道筋だった。多くの名刹が並ぶこの街道沿いで、金剛寺と並び、河内長野の信仰をもう一方から支えてきたのが檜尾山観心寺(ひのおさんかんしんじ)。役小角(えんのおづぬ)が開き、空海が訪れて伽藍を整えたとされている。
- ここは空海が京と高野山の間に選んだ中宿の地で、やがて嵯峨天皇の勅願所となり、定額寺(じょうがくじ)に列せられて発展。真言宗の重要な拠点としての地位を確立した。
- 金堂(国宝)前にある礼拝石は、空海が座し、北斗七星を祀った祈りの場。その金堂に安置される本尊・如意輪観音(にょいりんかんのん)(こちらも国宝)を中心に、七つの星塚が「厄除け」の願いを込めて配されている。ここは、北斗七星を祀る日本唯一の寺院でもある。
- 北斗七星は「人の生死を司る星」。道教の思想を背景に、いまもなお多くの人が手を合わせ、とくに医療や介護に携わる人々が、命と向き合う想いで祈りを捧げている。
- 「コロナ禍以降、医療や介護の方々のご参拝が増えたようです」(藤森)
- 金堂に足を踏み入れると、密教の宇宙をかたどったように仏像が並び、荘厳な静けさが漂っている。
- 「国宝・如意輪観音像は秘仏ですが、そのまわりを囲む仏像たちは目にすることができ、圧倒されます。観心寺はぜひとも訪れていただきたい、河内長野、私の一番の推し、ですね」(藤森)
檜尾山 観心寺
北斗七星を祀る、日本唯一の寺
威容を誇る金堂。その正面の礼拝石を中心に、境内には七つの星塚が配される。ここは、命と向き合う人々の祈りの場。
ご本尊のご開帳は、毎年4月17日・18日。
薬樹山 延命寺
樹齢千年とも言われる楓もまた宝物
平安時代に空海が刻んだ地蔵菩薩を本尊にして開かれたと伝わる。
紅葉の名所としても知られ、樹齢千年ともいわれる楓の巨木は、夕陽に映えるその美しさから、「夕照もみじ」と呼ばれている大阪府指定天然記念物。
- もうひとつの街道、高野街道沿いに残るのが「烏帽子形城跡」。戦国時代に築かれた山城の名残で、いまも往時の姿を伝える。交通の要衝に建てられたこの城は、見晴らしもよく、地元でも親しまれている。
烏帽子形城跡
戦国時代の山城の記憶をとどめる
交通の要衝であった高野街道を眼下に収め、周囲にあった山城を見渡すことができる優れた眺望を持つ城内には、当時の土塁や横堀などが残る。
長野神社
優美な姿の重要文化財
室町時代後期に建立されたと伝わる本殿は重要文化財。
檜皮葺の一間社流造(ひわだぶきのいっけんしゃながれづくり=ヒノキの皮で葺いた、間口が1間の小さな神社建築)で、優美な曲線と落ち着いた佇まいが特徴。
歴史旅の記憶を深めよう
- 河内長野には市立の「ふるさと歴史学習館」があり、地域の歩みや文化の背景を気軽に知ることができる。歴史を軽くおさらいしてから各スポットをめぐれば、旅の深まり方も違ってくる。予約制のボランティアガイドによる案内もある。
- 「細かい情報をわかりやすく伝えてくれますし、会話のやりとりも魅力です。河内長野、丸1日いてもいいですね」(藤森)
- 古(いにしえ)の街道のその先には、目まぐるしい日常から少し距離を置いて、いまを見つめ直すための扉がきっとある。そしてそれもまた、ここ河内長野を訪れた旅人が、歴史に寄り添いながら見つけ出せる〝宝物〞に違いない。
[立ち寄りSPOT]河内長野市立ふるさと歴史学習館
- 河内長野の歴史や文化遺産を深く学べる。常設展示、テーマを決めた特別展示のほか、勾玉づくりや石包丁づくり、型紙を用いたしおりづくりなどの体験メニューも。
住所:大阪府河内長野市高向2230-5
営業時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)・祝日の翌日・年末年始
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- 大阪東急REIホテル 宿泊部門 藤森浩之