TRAVEL

2019.03.22
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camera to travel〜カメラ・ト・トラベル
Vol.1 渋谷編

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  • matsuyou*
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  • はじめまして、まつゆう*と申します。
    東京生まれ、渋谷育ち。15歳からモデルをやっていたということもあり、小さな頃から色々なところへ旅する機会に恵まれました。国内、海外、近場でも"旅すること"は、私にとっての人生のスパイス、今の自分をカタチ作る大切な要素だと思っています。
  • 連載名の「camera to travel〜カメラ・ト・トラベル」
    直訳すると「旅するカメラ」という意味ですが「カメラとトラベル」ともかけています。私は昔から旅行中に好んでインスタントフィルムカメラで写真を撮っていました。スーツケースの半分がフィルムパックという旅もあったくらいです。今の世の中、スマホがあればカメラを持っていかなくてもキレイに思い出を残すことができるのですが、インスタントフィルムで撮った写真ってどこか哀愁があって愛おしいんです。この連載ではアナログなチェキスクエアというインスタントフィルムに「その瞬間、瞬間」を大切に閉じ込めながら、一緒に旅したいと思います。第1回は私の育った街「渋谷」を、カメラ・ト・トラベル。
  • 40年間、渋谷という街を見続けている私。ここ最近の再開発で、すっかりどころか思いっきり渋谷が様変わりしているのを感じています。なんだかワクワクするような"いとしさ"を感じながらも、大切な思い出がなくなっていく"せつなさ"も感じる。現在の写真を織り交ぜながら、今回は特別に40年間の渋谷の思い出話も織り交ぜつつ、松濤文化村ストリートからスタート。
  • この通りは今は2車線になっていますが、元々は1車線の狭い道でした。山手通りの方から、渋谷に向かって降りていく道。小さな頃から、私が渋谷に行く際に歩いた道です。
  • ちょうど、おりきったところには、「Bunkamura」や「東急百貨店 本店」があり、アートやラグジュアリーの印象。この辺りに来ると「まるでパリ?」のような、おしゃれなデザインのレストランやマンションがあって、街灯やフラッグも素敵。
  • さらに足元を見ると石だたみになっています。これは、「東急百貨店 本店」まで続いていて、この辺りは人も少なくお散歩コースにいいので、ぜひ行ってみて下さい。オススメは、「鍋島松濤公園」と「松濤美術館」のセットです。「鍋島松濤公園」には、宙水から湧き出でる泉でできた小さな池もあって、錦鯉やカメがいるんです。暖かい季節には、カメさんたちは岩に乗って甲羅干しをしてたりするので、出会えたらラッキー!
  • 「東急百貨店 本店」を超えて行くと一気にみなさんが知っている渋谷に出会えます。とにかく人が多い!電気店や、ドラッグストアなどが立ち並び、お土産を求める観光客で活気に溢れてきました。現在、「ドン・キホーテ」が入っているビルは、その昔「ONE-OH-NINE(ワン・オー・ナイン)」というビルで、その1階に「HMV渋谷店」が入っていました。最近の90年代ブームでまた話題になったりしている「シブヤ系」という音楽ジャンル、実はこの「HMV渋谷店」の邦楽の"プッシュコーナー"がその源だったんです。私の家から1番近かったCDショップが実はここで、例えば「ミスチル」のCDを買いに行ったら、横に並んでいる「オザケン」や「ピチカート・ファイヴ」などのCDを視聴し、「あ、これ流行ってるの?いいアルバム♬」と、気づかないうちにおしゃれでサブカルなシブヤ系を好むようになっていました。それのおかげで今のカルチャー好きな私があるといっても過言ではないので「HMV渋谷店」さんには、いい教育をしてもらったと感謝したいです。
  • ちょうどこの旅の日、「109(※1)」の交差点で頭上を見上げると「109」の看板が外される準備をしているのを見かけました。「109」といえば、アムラーや、あゆのファンも集ったギャルの聖地。私は、ギャルではなかったですが、90年代に高校生でした。安室ちゃんの1個下で、あゆとは同じ歳ということもあってか、高校時代からよく買い物に行っていました。これは、哀愁でしかないんですが、まだ新しいデザインに馴染めず、看板がなくなっていくのを見上げて、グッと胸にくるものがありました。さよなら、青春!
    ※1 SHIBUYA109
  • そのまま進むとスクランブル交差点に到着です。
    何度、この交差点を渡ったか数えたら計測不能なので、それはやめておきますが、たくさんの思い出が詰まった場所。元々、「QFRONT」のあった場所は映画館だったと記憶しています。母と一緒に「となりのトトロ」を見に行ったのをよく覚えています。その反対側は、「東急百貨店 東横店」!私が大好きなデパートです。子供の頃の楽しみは、今はなき屋上のプレイランドで遊んでから、レストランフロアでお子様ランチを食べること!たまには、おもちゃ売り場でおもちゃを買ってもらって、私にとって凄く大切な思い出の場所です。祖母から聞いた話なのですが、昭和26年から2年間だけ「ひばり号」というケーブルカーが「東急百貨店 東横店」を往復していたのだそうです。どちらかというとエンターテイメントのための乗り物だったようですが、乗ってみたかったなぁ。
  • そのまま、山手線の下をくぐって宮益坂の方へ行くと「渋谷ヒカリエ」が見えてきます。私にとって「ヒカリエ」といえば、毎年3月と10月に行われる「東京ファッションウィーク(通称:東コレ)」の会場のイメージが強いのです。半年に一度、ショーを見に行く場所。それが私のヒカリエ。ヒカリエになる前は、「渋谷東急文化会館」という建物がたっていて、「渋谷パンテオン」というとても大きな映画館や、プラネタリウムが入っていました。映画もプラネタリウムも大好きでよく見に行っていました。

  • 今回の再開発。日々変わっているので、渋谷の抜け道、近道を完全に熟知していた私でも今はもうわかりません。ハチ公まで何メートル。電車の乗り場の看板。これを目指して移動しないと、幾重にも重なるエスカレーターや階段が毎日変わる迷路のように感じます。でも、徐々にですがキレイになってきている。

  • 先にどーん!と変わったのは、渋南エリア。
    元々、東急東横線の渋谷駅のシンボルだったかまぼこ屋根が再現され、線路?のようなラインや文字がペイントされています。
  • その先にすすむと「渋谷ストリーム」に到着。ここができたことでグンと周辺が変わった気がしました。その支流が歌唱「春の小川」のモデルになったともいわれる「渋谷川」が美しく生まれ変わり、川を見ながらたくさんの飲食店で美味しいご飯が食べれる。
  • 松濤から、渋南エリアまでのプチ旅行。
    渋谷の今昔物語、思い出話を語りつつ旅の終着点は「渋谷ストリーム」の4階にあるBar & Dining「TORRENT」の窓際席でディナー。

  • スタイリッシュでおしゃれな空間。こんなところにレストランがあったんだ。と、いい発見!お客様は外国の方が多く、混みすぎてもいなくて、まったり大人の時間が過ごせる。

  • ディナーコースを頼んだのですが、これは凄いデートやご褒美にいい。しかも色々と工夫が凝らされたメニューは味も美味しい!
  • 今日1日、自分の知っている渋谷を回ってきましたが、渋谷でここからの夜景を見たのは40年間ではじめてでした。
  • 大切な渋谷の思い出がなくなっていくのは寂しいけど、素敵な思い出もこうやってアップデートしていけばいい。渋谷の街と共に自分も新しくなって行こう!そう思えた旅でした。

camera to travel~カメラ・ト・トラベル

まつゆう*

  • クリエイティブ・プランナー / ブロガー
    東京生まれの渋谷育ち。1993年よりモデルとして活動開始。
    1998年、ウェブマガジン「chelucy(チェルシー)」を立ち上げ、ビューティー、ファッション、トラベルなどの独自視点の可愛いカルチャー情報をウェブ、ブログ、SNSなどで早期から発信し続け、多岐にわたる分野で活動中。
    現在は、「大好きは、ボーダーレス!」をテーマに掲げた、セレクトウェブマガジン
    m’s mag.(ミズマグ)』を日々更新中!

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