TRAVEL

2022.11.11
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隅々に行き渡る日本文化の原点
ー京都・東山ー

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  • Shinobu Nakai
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  • Seiichi Saito
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  • 日中は華やかな賑わいがあるのに、夜には虫の音も響く静けさ。そんな京都の東山・粟田口、粟田小学校跡地に「THE HOTEL HIGASHIYAMA」が、2022年7月7日に誕生しました。

    一説では、粟田口は奈良時代に開かれた場所で、平安以降には東国との交通の要として栄え、刀工たちがこの地に集結したほか、粟田焼(陶器)の生産も始まり、文化拠点として発展したとのこと。由緒ある場所に開業したこのホテルには、滞在するだけで京文化や歴史、伝統を知る仕組みがちりばめられています。

    「青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)をはじめとする名刹(めいさつ)のほか、京都市京セラ美術館などの文化施設、琵琶湖疏水や京都市動物園 にも歩いていける恵まれた場所です。ゆっくりとご滞在いただき、ここを拠点にして、観光はもちろん京都の日常に触れる旅を楽しんでいただきたい」と総支配人の小川原照枝氏。

  • ホテルは三条通りに面して建つ。

  • 各階廊下には白川の流れをイメージした絨毯が敷かれている。

  • 中庭を見渡せるエグゼクティブハリウッドツイン。

  • 玄関のアプローチからホテル内に足を踏み入れると、まず目に入るのが、1階から地階までの吹き抜け部分にかけられる大きな西陣織アートです。そこには粟田小学校の校章や校舎図などが織り込まれ、気品ある美しさに、一挙に雅な京都感に引き込まれていきます。ロビー階には、粟田焼や清水焼などの茶器の展示、竹細工や金属工芸、唐紙といった伝統工芸品を販売する店舗も併設され、京文化を尊ぶ心が伝わってきます。

  • 「Craft Editions produced by Kyoto Museum of Crafts and Design」では、若手作家による選りすぐりの伝統工芸品を販売


「お茶」をテーマに寛ぎのときを演出する


  • このホテルは「お茶のおもてなし」を大切にしています。人を和ませる茶道の精神はもちろんのこと、お茶本来のおいしさや慣習を、ホテルの滞在を通じて体感させてくれます。

    その象徴といえるのが、ロビー横にある宇治茶の老舗「祇園辻利」がプロデュースするTea & Bar「Sarei produced by Gion Tsujiri」。ここでは、最上質のボトリングティーや急須で淹れる玉露、煎茶、ほうじ茶の飲み比べも楽しめます。庭を眺めながら喫するお茶は、宇治茶のおいしさを実感できる本物の味わいです。

  • 上質な時間を過ごせるTea&Bar 「Sarei produced by Gion Tsujiri」

  • 平安神宮の鳥居や緑の中庭が見渡せる和洋のエッセンスを取り混ぜた客室は、スーペリアからスイートまで全26タイプと多彩。客室にはそれぞれ茶箱が調えられ、おいしいお茶の淹れ方が書かれたカードを手本に、急須や茶器を使って自分でお茶を淹れられるようになっています。

  • スイートルーム「okazaki」(61㎡)。リビングではゆったりとお茶の時間を楽しめる。

  • また、お茶の名前がつけられた予約制の貸切りスパでは、茶香炉から漂うお茶の香りに包まれながら寛ぎのときを過ごせます。

  • 貸切スパは3タイプある。

  • 朝は地階のレストラン「ナナノイチ」で心づくしの朝食を。「洋朝食だけでなく、地元の豆腐や湯葉をつかった和朝食も用意しております。京都の歴史に育まれた食の豊かさを感じてください」と角房直記料理長。ランチやディナータイムには、京フレンチやピンチョス料理も味わえるというから、そちらも楽しみです。

    日常から離れて滞在する休息のとき。工芸やお茶、京食材といった、 京都に潜む日本文化の原点に触れ、充実の時間を過ごしてみては。

  • レストラン「ナナノイチ」では京フレンチをいただける。

  • 和朝食には東山にある専門店の食材、調味料を使ったおばんざいを提供。


THE HOTEL HIGASHIYAMA by Kyoto Tokyu Hotel


  • 住所:京都市東山区三条通白川橋東入三丁目夷町175-2
    TEL:075-533-6109
    アクセス:交京都市営地下鉄東西線「東山駅」徒歩約4分、JR「京都駅」からシャトルバスで約30分
    設備:客室数168室、レストラン、Tea&Bar、スパ、ユーティリティールームほか
    tokyuhotels.co.jp/higashiyama-h/
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

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