SDGs

2023.02.24
SDGs

ETHICAL URBAN SLOW LIFE②
世界初の水素ホテル
未来を創る、アクションとは?

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  • Toru Kawagishi
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  • Takao Ohta
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  • “世界初の水素ホテル”として注目を集めている川崎キングスカイフロント東急REIホテル。なぜ水素ホテルと呼ばれているのでしょうか。川崎キングスカイフロント東急REIホテルでは、2018年の開業時より環境省の実証事業に参画し、ホテル全体の約30%の消費エネルギーを、純水素燃料電池と水素で発電する「水素由来の電力」でまかなっていました。
  • この水素は、家庭から集められた使用済みのプラスチックゴミを昭和電工の水素製造設備に運び、独自の特殊工程により生まれるものです。つくられた水素は工場からホテルまで約5kmのパイプラインを通って運ばれます。ホテル内には純水素燃料電池を設置。この装置で送られてきた水素と空気中の酸素を化学反応させて電気エネルギーに変換するのです。
  • 水素でまかなえる30%以外の残り70%のエネルギーは、ホテルで出る食品廃棄物を微生物によってメタン発酵させ、そこで発生したバイオガスでガスエンジンを動かし、電力をつくります。ホテル内では水素由来のエネルギーを使って、リーフレタスを栽培していました。栽培ルームの温度を22〜26°C、湿度を60〜80%に保ち、LED照明を照射。高速成長を促しているため、通常育成に45日程度かかるところを約30日で収穫可能な状態に。このリーフレタスは、ホテルの朝食ブッフェで味わえます(※)。
  • 水素の取り組みは環境省の実証事業の終了とともに、2022年3月でいったん終了となりましたが、新たなスキームによって水素燃料電池ユニットを更新し、2023年1月に再開します。
  • さらにこのホテルに限らず、東急REIホテル全店舗では、2021年度よりワンウェイプラスチックアメニティをエコ素材に変更、または廃止しています。提供方法も客室に常備するのではなく、フロント近くにアメニティコーナーを設け、宿泊者が必要なものをセレクトするシステムへと変更しました。東急ホテルズが掲げる「地球にやさしいホテル・まちにやさしいホテル・ひとにやさしいホテル」という3つのサステナビリティ(目指す姿)を実現するために、東急REIホテルではプラスチック廃棄量削減に取り組んでいます。
  • ※水素発電再開までの間、リーフレタスはバイオガス発電によって栽培。
  • ホテル1階のラウンジ。華やかな装飾を控えたナチュラルな雰囲気で、大きく取られた窓から差し込む陽光が気持ちいい。

  • リーフレタスの栽培ルーム。10時~14時は青色、それ以外の時間帯は赤色のLED照明で照射を行うことで、育成速度を速めている。

  • 米の籾殻など植物由来の資源を使用したアメニティ。


川崎キングスカイフロント東急REI ホテル


  • 住所:神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-11
    TEL:044-280-1090
    アクセス:羽田空港から車で約10分、電車で約21分、JR「川崎駅」から無料シャトルバスで約20分
    tokyuhotels.co.jp/kawasaki-r/


ETHICAL URBAN SLOW LIFE


  • 川崎「キングスカイフロント」エリアにおいて、産学官連携など地域との共生を推進するとともに、「都会でありながらも、広い海、川と海の青い世界」というここだけの環境を活かしたウェルビーイングを体感できる様々な取り組みや情報を紹介。
    唯一無二な、“都会の中のエシカルでゆとりある時間”を体験していただく、アクティビティやワークスタイルの企画を推進していくプロジェクトです。

    ethical-ks.com/


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