宮古島の豊かさに触れるジェラート
- 「宮古島の豊かさを表現すること」をコンセプトにスタートした「リッコジェラート」。
店主の前納さんは、東京出身。イタリアで料理を学んでいた際、本場のジェラートに感動し、「日本の食材でもこんな表現ができたら」と思ったことが原点だったという。
「おいしいものを東京に集めるよりも、自分が現地に行って、その土地の素材を生かして料理がしたいと思ったんです。それで2008年に宮古島に移住しました。いろいろな土地を訪ねましたが、宮古島の空気感に背中を押された気がして」 - オープン当初は料理やドリンクも提供するカフェスタイルだったが、次第にジェラートが主役となり、2014年ごろには現在の専門店の形へと落ち着いた。
島の豊かな“採れたて”素材を使った手作りジェラートには、多くの生産者の人々の想いが込められている。
素材の「香り」と「うまみ」を大切に
- リッコジェラートの最大の魅力は、何といってもその“素材力”。前納さんは宮古島の農家と密に連携し、直接届いた素材からフレーバーを考案する。
「たとえばキャッサバやマジョラムなど、ちょっと珍しいものもあります。農家さんから『これはどう?』といただく素材に合わせて、どうすればジェラートとしておいしくなるかを毎回試行錯誤して作っているんです」
見た目の良し悪しではなく、香りがしっかりしていること、うまみがあること──それこそが、素材を選ぶうえで大切なポイントだという。
- 全200種類以上提供されてきたなかから、ショーケースに常時並ぶのは約12種類。
フレーバーは季節や日によっても変わるため、訪れるたびに新たな出会いがあるのも楽しみのひとつだろう。
定番の「紫芋」「マンゴー」、「ピスタチオ」や「雪塩」などに加え、旬のフルーツを使った限定フレーバーや、焼き芋をジェラートにしたメニューなども人気を集めている。
「ぜひ食べてほしい」と前納さんが語るのが、「ツンフグ牧場」とのコラボメニューとして出している「宮古島ジャージー牛乳」。無農薬の牧草を調達し、愛情を込めて育てられた牛のミルクの味は、格別だ。
- ジェラートのサイズは、シングル・ダブル・トリプルの3種類。
時には旬の素材を使った「ミニサンデー」も登場し、訪れたタイミングでしか味わえない特別な組み合わせに出会えるのも魅力。
また、冷凍便にも対応しているため、店頭で味わった感動を自宅でも楽しめるほか、ジェラートを卸している宮古島内のホテルや飲食店で、思いがけず再会できるのも嬉しい。
宮古島の“いま”と、物語を味わって
- 「ジェラートだけでは伝えきれない素材の魅力も届けたい」との想いから、焼き菓子やドリンクも種類が豊富。
自家製のフルーツシロップを使ったソーダや、スパイスが使われたクラフトコーラなど、ジェラートとの相性を考えた工夫も随所に見られる。 - 「僕たちのジェラートは、“宮古島のいま”を表現しています。どんな農家さんがどんな思いで育てたのか、それを知ったうえで味わうことで、より深く楽しめるんじゃないかなと。ぜひ、素材の向こう側にある物語も感じてもらえたら嬉しいです」
ひと匙すくうたびに、どこかなつかしくて、やさしい気持ちになるリッコジェラートのジェラートには、単なる“味”を超えた、土地の空気や作り手の想いが確かに宿っている。
それはきっと、農家とのつながりを大切にし、素材の声に耳を傾けながら、日々ジェラートを生み出しているからこそ。
宮古島を訪れたなら、心をそっとほどいてくれるこの場所で、季節の豊かさを味わってみてほしい。
RICCO gelato
- 沖縄県宮古島市平良下里550
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※店舗情報をご確認の上、お出かけください