GOURMET

2023.02.03
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山陽 、逍遥④
CRAFT SAKE IN SANYO 日本酒

日本を代表する酒どころ、兵庫と広島を擁する山陽。山田錦や八反錦など酒米のルーツを辿り馥郁たる酒を味わいたい。
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  • Shinobu Nakai,Mayumi Yamamoto
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<兵庫>本田商店
土壌選びからこだわった渾身の酒造り


  • 現当主の祖父にあたる3代目は、長年山田錦を育む土壌の研究に取り組み、商品づくりに生かしてきた。本社併設の「龍力テロワール館」では、山田錦の土壌標本の展示を見ながら銘酒の試飲ができる。
    Photo=Makoto Ito

  • 酒米の王様、山田錦の主産地、兵庫県播磨地域で1921年に創業した「本田商店」。大吟醸のパイオニア的存在で、特に山田錦の扱いには定評がある。「米の酒は米の味」の理念のもと、酒米の品質にこだわった酒造りで、最上級の兵庫県特A地区産山田錦使用の大吟醸「米のささやき」をはじめ、人気の純米酒「龍力」など酒米の味を存分に生かした商品群を変わらず生みだしている。
  • 業界でいち早く酒造りにおける酒米の全量使用を始め、精米も自社で行っている。吟醸酒は、麹蓋を使った麹づくりなど伝統的なやり方で丁寧に造られている。写真は麹をつくる麹室。
    Photo=Makoto Ito

龍力


  • 左:山田錦使用の「龍力 特別純米 生酛仕込み」(1,800ml)¥3,300。米の旨味をしっかり感じる燗酒におすすめの純米酒。
    右:カジュアルラインのドラゴンシリーズ「純米吟醸 ドラゴン 黒」(720ml)¥1,540は、落ち着いた味わいの辛口。 Photo=Makoto Ito

本田商店


  • 住所:兵庫県姫路市網干区高田361-1
    TEL:079-273-0151
    taturiki.com
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

<岡山>宮下酒造
故郷の恵みを世に伝える老舗造り酒屋


  • 「宮下酒造」は1915年、岡山県玉野市で創業。戦後、甘口が主流であった岡山県において、本醸造の辛口酒を販売することによって一石を投じた。1967年に岡山市に蔵を移し、清流旭川の伏流水をくみ上げ清酒を醸す。現在は「極聖」を代表銘柄とし、日本酒だけでなくビール「独歩」、ウイスキー「岡山」に加え、リキュール、焼酎、スピリッツ等も醸す総合酒類メーカーをめざしている。

  • 「極聖」の「聖」は大伴旅人の和歌「酒の名を聖と負せし古の大き聖の言のよろしさ」が由来だという。

  • 清酒もろみを櫂入(かいい)れする杜氏。

極聖


  • 「大吟醸極聖」(720ml)¥5,500
    2020年度全米日本酒歓評会の大吟醸部門でグランプリを受賞。華やかで上品な吟醸香とふくらみのあるまろやかさの調和を楽しめる。

宮下酒造


  • 住所:岡山県岡山市中区西川原184
    TEL:086-272-5594
    msb.co.jp
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。

<広島>相原酒造
地の利を生かし、その名を轟かせて140年余


  • 瀬戸内海と三つの山に囲まれた広島県呉市で、1875年に創業した「相原酒造」。野呂山の伏流水を用いて清酒を醸してきた。海路の要所として栄えた仁方港から近いという地の利もあり、早くからその味は日本酒通の知るところに。全国の新酒品評会で11年連続受賞を果たすなど、これまで多数の業績を残している。代表銘酒「雨後の月」は、上品かつ澄み切っておいしいと評判。
  • 広島地酒のなかでも県内屈指の名醸蔵として知られる。

  • 「澄み切った酒を醸す」という蔵人の想いは、創業以来受け継がれ、今も酒造りの根本になっている。

雨後の月


  • 大吟醸造りで醸す「大吟醸 雨後の月真粋」(720ml)¥5,500。
    エレガントな味わい。酒名は、徳冨蘆花の短編集の題名からとったといわれる。

相原酒造


  • 住所:広島県呉市仁方本町1-25-15
    TEL:0823-79-5008
    ugonotsuki.com
    ※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。


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