COLUMN

2021.03.26

三島の駅前に、ずっと景色を眺められる空間がありました ~前編~

南田 裕介 written by 南田 裕介
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  • 2020年6月に開業した富士山三島東急ホテル。
    富士山と名前につくだけあって富士山がものすごくよく見えます。
    しかし、それだけでなくもう一つ絶景が広がります。それは何か。
    ズバリ「鉄道」です。

    三島駅はJR東海道新幹線、JR東海道本線、伊豆箱根鉄道駿豆線(通称 いずっぱこ)が接続する鉄道の要所で、東海道本線にはJR貨物の貨物列車が走ります。
    その三島駅のすぐ横にできたこのホテル、鉄道好き界隈では密かに盛り上がっており今回、宿泊することになりました。


高級感だけでないロビーの雰囲気

  • JR三島駅改札口から徒歩50秒、伊豆箱根鉄道三島駅改札口から徒歩30秒。新しいドアを抜け、干物屋さんを見ながらエスカレーターで2階のロビーに。チェックインをします。
    しかしこのロビー、ものすごく新しく、いかにも東急ホテルという高級感のある空間なのですが、木目や座布団など和の要素もあり三島という立地にしっくりくる空間になっていて驚きました。


いざ客室へ

  • 今日の私の部屋は906号室の角部屋です。ご案内をしていただき中に入るとこれはまた想像を超えた空間がひろがっていました。
    ロビー同様そこには高級感だけでなく、和が組みこまれていて親しみやすく、ゆっくりくつろげる空間になっていました。和紙のブラインドだったり木目のベットだったり。
    窓もとても大きく、三島の街の明かりが広がります。
    そして眼下にひろがる三島駅。
    東海道本線のホームにはお客さんが列車を待っている姿もしっかり見えます。また西側の窓からはいずっぱこ電車が大きくカーブしてやってくる姿や東海道本線の姿、そして新幹線の三島の車庫で泊まっている新幹線車両の赤いテールライトが遠くに見えます。 たくさんの種類の列車のトレインビューができるのは、とてもうれしくワクワクしますね。
  • 11階の西側の角部屋をみせていただきました。
    なんということでしょう。これまで見たこともない客室です。
    高級な客室の空間に和室が浮かんでいる不思議な光景で、上質な木のテーブルとデザイン性の高く使いやすい座椅子。
    広い畳のスペースは小さなお子様でものびのび遊べてくつろげます。
  • また、障子をしめるとプライベート感がさらに増し特別な時間を過ごせそう。
    個人的には鉄道模型の線路を敷いて、三島駅を通る列車を走らせたいです。


夜景をみながら夕食

  • 今日の食事は13階のレストラン「炉」でコース料理をいただきます。
    おしゃれなエントランスはこちらもゲストとして背筋が伸びます。
  • 地元の食材を中心にした料理で、一皿一皿が輝いています。
  • 「薫香を纏ったノルウェーサーモンのミキュイ」
    特に印象深く燻製なのにお魚の身はジューシーでとろけるような食感です。
    付け合わせのミニトマトの甘いこと甘いこと。


  • 「魚の海藻クルート焼き」
    クルート焼きなるものは初めて食べましたがさくっとしていてこれまた美味。


  • 「オーストラリア産牛フィレ肉のシャリアピンスタイル」
    レアなお肉にはスジがほとんどなくやわらかくきめ細かいです。
    シェフがオープンキッチンのグリルで仕上げるかっこいい姿をじっと眺めたいですが、やりにくいかなと思って遠慮しました。


  • ご飯の前に、鯵の干物を追加注文します。
    身はとても柔らかく皮はこんがりと火の香り。
    自宅でこの焼き加減は不可能だと降伏しました。
    ふしぎなことにこれまでコース料理をしっかりといただいてきたのですが、頭の部分までしっかりといただきました。
    初めて、「干物は別腹」を感じた干物でした。


  • 新潟産の銀シャリもおいしく、伊豆味噌の汁物は地元の思いの詰まった甘い味がしました。 美味しかったです。ごちそうさまでした。


トレインウォッチング

  • 906号室に戻って電車を見ます。
    西側を見ると東海道本線の踏切が見え、点滅すると間もなく上り列車が来ます。
    下り列車は駅の出発信号機が緑を現示したら間もなく出発です。
    主力選手の313系電車と211系電車とは、すこし灯りの色が違いますね。
    313系は明るい車内がよく見えます。


  • 新幹線ホームにこだま号が到着しました。お客さんがおりてきましたが少ないです。たくさんのお客さんが降り立てるような状況に早く戻ってほしいと切に願います。
    伊豆箱根鉄道の車両は15分おきくらいで行ったり来たりしています。
    と、新幹線のぞみ号でしょうか。高速で通過していきます。日本の大動脈ですね。
    さて何分くらいみていたでしょうか。まったく飽きないです。

露天風呂で汗を流す

  • 14階の展望露天風呂で今日の疲れを落とします。
    清潔感漂う脱衣所と、モダンなつくりの大浴場。
    シャワーは一人づつ仕切りになって、プライベートな空間でゆっくりシャンプーできます。
    そして露天風呂。サウナもありますが新型コロナ感染対策でお休み中です。
    寒い外気と温かいお湯、最高です。
    さらにです。線路が見えるのはやはり格別。
    男湯は東側を向いているので、お部屋とは違う夜景が楽しめます。
    また新幹線が高速で通過していきました。最終のひかり号だったでしょうか。
    遅くまで鉄道は働き続けます。


深夜ならではのトレインビュー

  • 部屋着に着替えてリラックス。
    少々テレワークをします。メールをチェック。見積書の作成。プレゼン資料の作成。
    Wifiが完備されていてサクサク快適に仕事ができます。たくさん仕事、決まりますように。
  • 23時30分をまわり列車の本数はうんと減ります。
    まもなく日本で唯一残る定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」号が通過します。
    東京駅を22時に出発し(改正後は21時50分)翌朝には高松や出雲市に到着する韋駄天列車です。部屋の電気を消すとより夜景が映えます。信号が緑になりいよいよ通過です。
    やってきました「サンライズ」。
    たくさんのお客さんがのっているのでしょう。客室の灯りがサンライズ号の独特な客室配置を物語ります。消灯されている部屋はもうおやすみされているのでしょうか。それとも夜の車窓からこぼれてくる灯りを楽しんでいるのでしょうか。
    いってらっしゃーい。あと数時間で瀬戸大橋をわたっているなんて、にわかに信じられないですが、それが鉄道、線路の持つ可能性なのです。


  • そして夜の東海道本線の主人公、貨物列車ですね。電気機関車が長いコンテナ貨車をひっぱって通過していきます。機関車の種類も何種類もありEF210形電気機関車、通称「桃太郎」が圧倒的に多いですが、国鉄時代から走っているEF65形やEF64形も現役で走っています。
    ファンの多いEF66形27号機もここを通ることもありますので、油断できません。私は貨物列車が大好きなので至福の時ですね。日本唯一の貨物電車「スーパーレールカーゴ」は今日は運休のようです。
    「貨物時刻表」で時刻は何となく把握できるのですが、運休や時刻変更もあり、編成の長さやコンテナの数もその日によって異なるためミステリアスでワクワクします。新型コロナの緊急事態宣言中も貨物列車は走り続け、生活を支え続けました。鉄道は旅客だけでなく物流も担っていることを改めて感じました。


  • 正面の北側の窓をみるとこれまで動いていなかった保守工事用の車両が新幹線の線路に出る準備を始めています。
    これは新幹線の安全に線路などを守るための作業をする専用の車両で、メカメカしい厳ついマシーンをつんだ車両たちが、列をなしています。夜24時をまわり新幹線の運行は終了したあと、彼らは線路にでてメンテナンスをして、新幹線の安全を日本の大動脈を守っているのです。
    なかなか昼間は見ることのできない光景です。我々の安心・安全を守る姿にグッときました。



  • ぼちぼち寝ましょう。
    おやすみなさい。

    続きは、来週アップする後編へ続きます。お楽しみに!

    ※通常はマスクをして感染対策を徹底していますが、撮影のため一時外しています。

南田 裕介

  • 1974年奈良県生まれ。国立静岡大学卒業後、1998年株式会社ホリプロに入社。現在、ホリプロのスポーツ文化部でアナウンス室を担当。鉄道が好きすぎて、会社員でありながらテレビ朝日「タモリ倶楽部」、日本テレビ「笑神様は突然に...鉄道BIG4」、CS日テレプラス「鉄道発見伝」など、テレビ番組やラジオや鉄道関連のイベントに数多く出演。2020年9月にの書籍『南田裕介の鉄道ミステリー』(天夢人)をリリース。絶賛発売中。

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